症例1:頑固な腰の痛み Case1:Lower Back Pain
患者18歳/女性/高校生
腰痛がひどく、整形外科で椎間板ヘルニアと診断されて1ヶ月入院。その後自宅で1ヶ月間療養するも一向に改善せず、大学病院を受診し、知り合いから紹介された教授の診察を受けたところ「手術して神経の通り道の回りを拡げてみよう」と言われたそうで、お母様が「嫁入り前の娘に手術の跡を残したくないので何とかなりませんか?」と連れて来られました。
当院でのBEETの経絡診断では、肝経・胆経・膀胱経の経絡異常と思われました。治療3回目位から痛みは軽減してきましたが、良く話を聞くと1年前に太ももの裏側をテニスで肉離れし、その時にあまり治療をしなかったとのことでした。その肉離れの部分を触診すると奥に固いシコリがあり、押圧すると腰の痛い部分に響くという反応があっため、シコリの部分を中心にBEETに加え、灸頭鍼(鍼にモグサをのせて鍼と灸を併用する治療)を施したところ、順調に回復し1ヶ月間10回の治療で殆ど痛みを感じないまでに改善したため治療を終了しました。
頑固な腰痛の原因は完治していない太ももの肉離れのシコリにあったわけですが、腰の手術をしていれば、痛みも治らず、体にも心にも大きな傷を残してしまったのではないかと思うと、思い出す度にゾッとしてしまいます。腰痛の原因が必ずしも腰部にあるとは限らない症例です。
症例2:カカトの痛み Case2:Heel Pain
患者40歳/男性/会社員
左のカカトに痛みがあり整形外科を受診すると、カカトの骨の周囲の炎症と言われ、1ヶ月間1日おきに、注射・投薬・電気治療を受けるも殆ど改善せず、当治療院に来院されました。
BEETの経絡診断では、肝経・胆経・三焦経の経絡異常と出ました。異常経絡をアースし、経穴(ツボ)にダイオードを貼ると、動作によって誘発する痛みは軽減しましたが、「押すと痛い」と言う部分に変化が少ないので、異常のある胆経上を触診すると、帯脉という側腹部の緊張が残っているため、側腹部に鍼を刺入するとカカトを押すと感じる痛みが半減しました。その後、鍼先の抵抗が無くなるまでゆっくり鍼を動かし再びカカトを押すと「殆ど痛くない」「歩行しても痛みを感じない」ということで治療を終了しました。「カカトに何も治療をしていないのに全く不思議だ!!」と繰り返し言いながら喜んで帰って行かれました。
ゴルフ好きで、人の何倍も練習をしているとのことで、同一方向への繰り返しで行う運動により側腹部に異常緊張を生じ、関連する経絡の運動筋(経筋)を介して痛みがカカトに派生したと思われる症例です。
症例3:肘の痛み Case3:Elbow Pain
患者70歳/男性
肘の痛みがなかなか取れず整形外科に行くと、ゴルフ肘(上腕骨内側顆炎)と言われ、肘に数回注射をするも、その時は多少改善しても翌日には元に戻ってしまうということで当治療院へ来院されました。
動作とO-リングを合わせた経絡テストを行うと、頭頸部の動作で上を向くことが充分にできなかったため、任脉・肺経・心包経を中心としたBEETの施術をすると肘の痛みが半減しました。治療の度に頭頸部が自由に動くようになるにつれ、肘の痛みも出現しにくくなり、数回の治療で完治しました。
加齢により体がかたくなっているにも拘らず、ゴルフの無理なスイングを繰り返したために肘にばかり過度の負荷がかかり、痛みが出現した症例です。
症例4:首の凝りとめまい感 Case4:Dizziness by Stiff neck
患者70歳/女性
1日に何回か発作的に首の右側がひどく凝り、それに伴ってめまいに襲われたそうです。あちこちの病院に行ったものの原因が分からないと言われ、出された薬でも症状が一向に改善しないとお悩みで来院されました。
首の右側に加えて右の側腹部が異常に緊張していました。昔の胆石の手術痕の回りを触診すると、他の部分に響く不自然な圧痛があるため、肝経・胆経・三焦経・膀胱経のBEETによる施術に加え、手術痕の回りの不自然な圧痛部位に鍼を施すと、術後は首の動作痛や圧痛も軽減し、週1回/計5回の治療で首の凝りもめまいも殆ど起こらなくなり、大好きな卓球をまた再開する事ができるようになったと喜ばれました。
術後の腹部の筋肉に緊張のアンバランスがあり、それが頸部に及んで自律神経までバランスを崩した症例です。
症例5:首・肩の強い凝り感 Case5:Stiff neck and shoulders
患者63歳/男性
毎日夕方になると首の右側と両肩にとても不快な凝りを感じて仕事に集中できなくなり、ここ数年、マッサージ・電気治療・カイロプラクティック・整体といろいろな施術を試みてみたものの、その時は多少気持ちよくても、翌日にはすぐ元に戻ってしまい、苦痛は一向に減らないということで当院に来院されました。
詳しく問診をすると、6年前に食道ガンの手術を受け食道を全摘し、胃を持ち上げて繋ぐ手術をしたとのことで、頸部に大きな傷跡がありました。そこで制限のある動作と、O-リングを組み合わせたテストを行うと肝経・胆経・膀胱経・小腸経・任脉の異常がみられました。該当経絡末端をアースしダイオードを貼ると、急にお腹がグルグルと動きだし<帯電解消現象>とてもリラックスして気持ちが良いとのことでした。10分間放置後、頸肩部の動作痛、圧痛を確認すると大分和らいでいました。
治療3回目位からは異常経穴(ツボ)が固定してきたため、手足3ヶ所のツボを毎日ご自宅で押圧するように指導しました。
5回目の治療の際、「ツボを押していると、ゼロではないが凝り感が以前の2~3割で済むので楽です」といって頂けるところまで改善されたので、後は症状を強く感じたときや、健康法として来院するようにお伝えし治療を終了しました。